こんにちは。
カメラは本来、ありのままの風景を記録する機械ですが、撮影したデータを編集することで、意図やニュアンスを加えることができます。冷たい、温かい、無機質、純粋などを加算できます。
フィルムカメラはデジタルカメラに比べて独特の温かい雰囲気を持っており、人を惹きつけます。完全にフィルムの温かさを再現するのは至難の業ですが、デジタルでも近づけたい!と思いピクチャーコントロールを使ってみました。
Nikon Z 50ではピクチャーコントロールという機能があり、好みのフィルターをかけて撮影することができます。プリセットが多数用意されており、簡単に気分で切り替えられます。
今回はそのピクチャーコントロールを使ってフィルムのような温かい写真を撮影する方法を紹介します。
ピクチャーコントロールは以下のサイトで解説されています。
ピクチャーコントロールを使う
設定方法は簡単です。
カメラのiボタン
を押してピクチャーコントロールを選択します。
使いたいモードを選ぶだけです。個別のプリセットの値を調節することができます。
フィルムに近いプリセット
数あるプリセットの中で、個人的にフィルム風っぽいなと感じたのは10. ピュア
です。ピュアの各パラメータは以下のように設定するのが一番好みでした。
パラメータ | 設定値 |
適用度 | 100 |
クイックシャープ | (設定しない) |
輪郭強調 | -1.00 |
ミドルレンジシャープ | -2.00 |
明瞭度 | -2.00 |
コントラスト | -1.00 |
色の濃さ | -1.00 |
フィルム感を出すために、ISO感度を2000程度に設定し、適度なノイズを出すのがおすすめです。また、露出補正を-0.7にして気持ち暗めに撮るとより近づくような気がします。
作例
紅葉の季節に茨城県にある八溝山に行ってきました。交通の便が悪く、車で山頂まで簡単に行けてしまうため登山者はかなり少なく、紅葉を楽しめました。おすすめです。
かなり年季が入った看板です。落ち葉が道路に落ちているのが季節感あります。
木陰から差し込む光を撮影しました。フィルムだとここまでダイナミックレンジが広くないため、真っ白になりそうです。
八溝山山頂からの景色です。ISOを2000にしているため、シャッター速度を最速にしても露出がオーバーしてしまいました。明瞭度やコントラストを下げているため、白飛びしやすいようです。フィルムで空を撮ったときはかなり白く映るのでこれはこれであり?
空のグラデーションがきれいです。
下山道です。周りが笹で覆われています。獣道のような見た目です。
こちらも下山道です。先ほどよりは開けています。冒頭でも述べましたが、やはりダイナミックレンジが広いので、道路の暗い部分と空の明るい部分がはっきり写っています。
お寺の境内に立派ないちょうの木がありました。彩度が低くなっているので、赤い旗がいい味を出しています。
紅葉を下から近づけて撮影しました。光に透けている葉がとてもきれいです。
杉林の中から撮影しました。まっすぐ伸びている木が揃っていて気持ちがいいです。
おまけ
普通に撮るとこんな感じの風景です。
フィルム風モードをプリセット追加すると便利
設定ダイアルにU1やU2モードがあります。これはユーザーが設定した値を保存してすぐに再開できるプリセットのような機能です。
このユーザーモードに今回のフィルム風モードの設定値を書き込んでおくと、通常の撮影とフィルム風の撮影が気軽に使い分けできるので便利です。やり方は以下です。
- 設定ボタンを押す
- セットアップメニューからユーザーセッチングの登録を押す
- U1かU2を選ぶ
おわりに
Z 50を購入してから3年ほどが経ちますが、これまでピクチャーコントロールモードはモノクロモードを多少触ったくらいで、ほぼ使ったことがありませんでした。風景やポートレートで、試しに使ってみると雰囲気が一変して普段と違う写真を撮影できるので楽しいです。
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